最近は食料品の値上がりが続きますね・・・
朝食の定番だった鮭も、ずいぶん高くなりました。
ポテトチップスだって、知らないうちに中身が少なくなっています。
これからは、ますます家庭菜園の収穫を増やす努力をしなければ・・・
野菜ならなんとか栽培して収穫できますが、お肉や魚は難しいですね。
僕の子供の頃はチャボ(ニワトリの一種)を飼っていて卵を収穫していました。
今の時代、近所を見渡しても飼育している家庭はありませんね。
さて、お肉や魚を自給自足するのはハードルが高いです。
(海沿いに住んでいる場合は、海釣りで何とかなるかもですが)
そこで何が節約できるかと考えたところ、加工食品にたどりつきました。
ハムやベーコン等の加工食品を、お店で買うのではなく自分で作れば節約になるはずです!
そうです。まずは手始めに簡単でたくさんに作れるものがいいですね。
というわけでパンチェッタ(豚バラ肉の塩漬け)を作ってみました。
これが意外にもかんたんで、とても美味しく仕上がりました!
ざっくりと下記の3手順で、手作りパンチェッタが作れちゃいます。
①豚バラ肉を塩漬けにする
②豚バラ肉の塩を洗い流す
③豚バラ肉を乾燥させる
注意点は「③豚バラ肉を乾燥させる」でした。
季節が冬から春に変わるタイミングだったので、暖かくてお肉が腐敗してしまう可能性がありました。なので今回は天日干しと冷蔵庫の2パターンでの作り方を紹介します。
参考にする場合は、しっかりと除菌して自己責任でトライしてください。
記事を書いた人:みっく
・エンジニアとして勤務
・社内のサーバー管理、セキュリティ管理も担当
・DIYと料理が大好き、週末は料理担当
パンチェッタってどういうもの?
そもそもパンチェッタとは、どういう食べ物でしょうか?
パンチェッタ(イタリア語: Pancetta)は、豚のバラ肉のこと。またそれが転じてイタリア料理に使う塩漬けした豚バラ肉も同様にパンチェッタと呼ばれる。後者は俗に生ベーコンとも呼ばれる。豚肉(特にバラ肉)の塊に荒塩をすり込み、1ヶ月以上熟成と乾燥をさせて仕上げる。燻煙する場合もあり、パンチェッタ・アッフミカータ(Pancetta affumicata)と呼ぶ。
※ウィキペディア(Wikipedia)より引用
まぁ本場イタリアのパンチェッタとは別物でしょうが、家庭用としては活躍しそうです。
パンチェッタは生でも食べられるようですが、さすがに自作パンチェッタを生で食べる勇気はありませんね。なので完成したら料理につかってみましょう。
有名なものは・・・カルボナーラですね!
天日干しでパンチェッタを作る方法
思いたって作り始めたのは2月上旬です。
まだまだウィンターシーズンなので、塩漬けしたあとの乾燥は天日干しでトライします。
【必要なもの】
・キッチン用のはかり (塩の計量に使います)
・食品用アルコール除菌スプレー(器具を除菌します)
・ポリエチレン手袋 (お肉の加工に使います)
・干しかご (中に入れて天日干しします)
では、自家製パンチェッタを作ってみましょう。
【材料】
・豚バラ肉…1kg
・塩…50g(豚バラ肉の重さの5%)
・ブラックペッパー…適量
・ローズマリー…適量
・タイムパウダー…適量
・一味とうがらし…適量
豚バラ肉と塩、あとは家にあったスパイスですね。
ローズマリーは庭に茂っているのを1本とってきました。
一味とうがらしは、天日干しするので殺菌の意味で入れます。
豚バラ肉は業務用スーパーで買ってきました。
冷凍なので、あらかじめ冷蔵庫に1日いれて解凍しておきます。
まず最初に、使う器具をアルコール除菌します。
豚バラ肉がダメにならないように、まな板やフォーク、手袋をしっかりと除菌しましょう。
解凍した豚バラ肉をまな板にのせました。
豚バラ肉をフォークを使って穴をあけます。
豚バラ肉の両面に穴をあけました。
次に、塩漬け用の塩を準備します。
豚バラ肉の重さの5%の塩にしました(1kgの豚バラ肉なので50gの塩です)。
この塩にブラックペッパー、ローズマリー、タイム、一味とうがらしを入れます。
手袋を着用してから、豚バラ肉にスパイス塩をすり込んでいきます。
豚バラ肉にスパイス塩をすり込みました。
これを冷蔵庫に入れて脱水させていきます。
カラスミを作った時と同じように、リードで包んでからキッチンペーパーに吸水させる作戦にします。豚バラ肉をリードで包みます。
リードで豚バラ肉を包みました。
これをさらにキッチンペーパーに包んでからジップロックに入れます。
ジップロックに入れた豚バラ肉を、冷蔵庫の中で寝かせます。
1日寝かせました。キッチンペーパーが豚バラ肉の水分を吸っています!
キッチンペーパーを交換しながら、冷蔵庫の中で5日間寝かせたので取り出してみました。
これで豚バラ肉の塩漬けの工程は終わりです。水で表面の塩を洗い流します。
塩の入り具合が分からないので、焼いて食べてみます。
これがかなりの美味です!なんかこのままで完成じゃないの?といった感じです。
この時点での味見は、塩味が薄く感じるくらいがベストでした。
天日干しで豚バラ肉が脱水していくと、塩分が濃くなっていくからです。
(この時は気がつきませんでした・・・)
最後に軽く白ワインで表面を洗います。
キッチンペーパーで水分をふき取ったら、天日干しの準備ができました。
ベランダにつるした干し網の中にいれて乾燥させます。
天気が良ければ昼間は干して、夜になったら冷蔵庫に移動します。
天日干し開始2日目の写真です。
こちらが天日干し開始して9日目の写真です。
ためしに肉を持ち上げてみました。かなり水分が抜けて固くなりました。
ところが2月下旬にさしかかると、日中の外気温がとても暖かくなってきました。
せっかくのパンチェッタがダメになってしまうと残念なので、ここからは冷蔵庫の中で熟成させることにしました。
天日干しで9日間、そして冷蔵庫で5日間熟成させました。
重さを測ってみます。1kgの豚バラ肉が672gのパンチェッタになりました。
では豚バラ肉の変化を比較してみましょう。
ピンク色の豚バラ肉が、熟成された飴色に変化しています。
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※豚バラ肉と自家製パンチェッタを比較した写真。
豚バラ肉が自家製パンチェッタに生まれ変わりました。
さっそく自家製パンチェッタを味見してみましょう。
キャベツとパンチェッタのパスタを作ってみます。
薄く切ったパンチェッタとニンニクを火にかけます。
パスタを茹でます。ラスト1分でキャベツも茹でます。
パスタの茹で汁をフライパンに入れてソースにします。
茹で上がったパスタをフライパンにいれて和えます。
お皿に盛りつけて、キャベツとパンチェッタのパスタの完成です。
さてお味は・・・パンチェッタとパスタの茹で汁の塩分だけですが美味しいです!
このパンチェッタには、かなりの塩分が含まれていますね。
天日干しでパンチェッタを作ったので、ダメにならないように塩分を強くしました。
料理に使うときには塩分を少なめにすればOKですね。
本物のパンチェッタを食べたことがないので硬さがわかりません。
パンチェッタは別名「生ベーコン」とも言われるので、ベーコンと同じくらいの硬さなのかもしれません。そう考えると、天日干しだけで良かったかもしれませんね。
さて、自家製パンチェッタの保存方法ですが、冷凍で保存します。
使いやすい大きさに切り分けてラップに包んでから、真空状態にして冷凍庫に入れます。
この真空保存袋と真空ポンプを使います。
まずは使いやすい大きさに切り分けます。
そして1個ずつラップに包みます。
ラップに包んだ自家製パンチェッタを真空保存袋に入れます。
そして、真空ポンプで空気をすい出して真空状態にします。
自家製パンチェッタを真空状態にしました。このまま冷凍庫に入れて保存します。
ピチット脱水シートでパンチェッタを作る方法
次にパンチェッタを作り始めたのは3月上旬です。
あっという間に、春スキーの季節になってしまいました。
(なんだか今シーズンは、志賀高原も栂池高原も雪が少なかったですね・・・)
暖かくて天日干しはムリなので、ピチット脱水シートを使ってみます。
【必要なもの】
・キッチン用のはかり (塩の計量に使います)
・食品用アルコール除菌スプレー(器具を除菌します)
・ポリエチレン手袋 (お肉の加工に使います)
・ピチット脱水シート (これに包んでお肉を脱水します)
では冷蔵庫で作る、自家製パンチェッタを作ってみましょう。
【材料】
・豚バラ肉…1kg
・塩…30g(豚バラ肉の重さの3%)
・ブラックペッパー…適量
・フェンネル…適量
・タイムパウダー…適量
豚バラ肉と塩は、天日干しで作った時と同じです。
冷凍の豚バラ肉は、あらかじめ冷蔵庫の中で解凍しておきます。
せっかくもう1回つくるので、スパイスを変えてみました。
フェンネルとタイム、そしてブラックペッパーです。
今回は天日干ししないので、一味とうがらしは入れませんでした。
豚バラ肉がダメにならないように、まな板やフォーク、手袋をしっかりと除菌しましょう。
塩漬け用の塩を準備します。
今回は豚バラ肉の重さの3%の塩にしました(1kgの豚バラ肉なので30gの塩です)。
天日干ししないので、塩分量を少なくしてみました。
この塩にフェンネルとタイムを入れます。
今回も、豚バラ肉をフォークを使って穴をあけます。
豚バラ肉に、スパイス塩をすり込んでいきます。
豚バラ肉にスパイス塩をすり込みました。
リードで豚バラ肉を包み、さらにキッチンペーパーで包みます。
天日干しの時と同じく、これをジップロックに入れて冷蔵庫で寝かせます。
キッチンペーパーを毎日交換しながら、3日が経過しました。
キッチンペーパーの代替案を考えなくては・・・
豚バラ肉の塩漬けが終わったので、水で表面の塩を洗い流します。
塩漬けの塩分は3%なので大丈夫だと思いますが、とりあえず焼いて食べてみます。
はい。適度な塩味でかなり美味しいです。これをつまみにワインが飲みたくなります・・・
しかし天日干しの経験から、このまま脱水していくには塩分が強すぎます。
水を入れたボールに豚バラ肉を入れて、冷蔵庫の中で塩抜きをします。
今回も、軽く白ワインで表面を洗います。
キッチンペーパーで水分をふき取ったら、ここでブラックペッパーをすり込みます。
3月になったので豚バラ肉の塩漬けを天日干しできません。
天日干しのかわりに、ピチット脱水シート(レギュラー)に包んで脱水していきます。
こちらがピチット脱水シート(レギュラー)のパッケージです。
1枚取り出してみました。これで豚バラ肉の塩漬けを脱水します。
ピチット脱水シート(レギュラー)を取り出して、豚バラ肉を包みます。
ピチット脱水シートという名前からは意外なのですが、ラップのようにお肉に密着しませんでした・・・仕方ないのでラップにくるみました。
これをバットにのせて、冷蔵庫の中で2日間寝かせます。
冷蔵庫の中で2日間寝かせました。ピチット脱水シートの効果は・・・
おおっ、ピチット脱水シートが豚バラ肉に張り付いています!
ピチット脱水シートが豚バラ肉の水分を吸収しているようです。
よく見ると、2日間で吸収した水分がピチット脱水シートの中にたまっています。
天日干しの場合は天気を気にしたり夜になると取り込む必要がありますが、
ピチット脱水シートを使うと冷蔵庫の中で放置するだけなので簡単ですね!
新しいピチット脱水シート(レギュラー)に交換して、冷蔵庫の中で寝かせます。
冷蔵庫の中で5日間寝かせました。
ピチット脱水シートを使って、2回(合計7日間)冷蔵庫の中で脱水しました。
ピチット脱水シートをはがしてみます・・・もうこれ以上は脱水できないようですね。
けっこういい感じに水分が取れました。
天日干しと比べても変わらないようです。
最後の仕上げとして、冷蔵庫の中で4日ほど熟成させます。
4日後の状態です。かなり固くなりましたが適度な柔軟性もあります。
では豚バラ肉の変化を比較してみましょう。
ピチット脱水シートと冷蔵庫で作っても、豚バラ肉が熟成された飴色に変化しています。
さっそく自家製パンチェッタを味見してみましょう。
今度はカルボナーラを作ってみます。
ボールに卵2個を割り入れて、ブロックのパルメザンチーズをすりおろします。
自家製パンチェッタを細長く切って、オリーブオイルでよ~く炒めます。
よく炒めたら、にんにくのみじん切りも軽く炒めます。
自家製パンチェッタをよく炒めたら、にんにくのみじん切りも軽く炒めます。
その後、パンチェッタとにんにく、炒めたオイルもいっしょにボールに入れます。
茹でたパスタをボールの中に入れます。
パスタをボールに入れたら、よくかき混ぜます。
お皿に盛りつけてブラックペッパーをかけたら、簡単カルボナーラの完成です!
さてお味は・・・卵とチーズが濃厚にからんで、まさにカルボナーラです!
生クリームをつかっていたいので、適度にあっさりとしています。
よく炒めた自家製パンチェッタの存在感が大きいです・・・つまみにワインがすすみます!
ピチット脱水シートで作った自家製パンチェッタも、使いやすい大きさに切り分けてから
真空状態にして冷凍庫で保存します。
2種類のパンチェッタを比べてみました
天日干しで作ったパンチェッタと、ピチット脱水シートで作ったパンチェッタ。
この2種類のパンチェッタを比較してみました。
まずは見た目の比較です。左側の天日干し製の方が乾燥しているように見えます。
ピチット脱水シートだと冷蔵庫の中でゆっくりと脱水されますが、冬の季節に天日干しすると、もうあっという間に脱水が進みます。
天日干しで作った自家製パンチェッタは、ある意味干し肉のようですね。
味についてですが、塩分濃度が違うので比較できませんね・・・
天日干しで作ったパンチェッタと、ピチット脱水シートで作ったパンチェッタを切って並べてみました。
とりあえず、軽く焼いて食べくらべてみました。
軽く焼いてお皿に並べました。
では食べてみましょう。こ、これは・・・とても美味しいですね!
ハーブの風味は違いますが、豚バラ肉の濃縮された味と濃厚な脂が美味しいです。
天日干しで作った方は脂身が多いのですが、この脂がめちゃ美味しいです!
塩漬けして干した脂がこんなに美味しいとは驚きです。
ピチット脱水シートで作った方は、肉のうま味がしっかりとしています!
美味しすぎて箸が止まりませんが、カロリーを考えると怖いですね(笑)
天日干しで作ったパンチェッタとピチット脱水シートで作ったパンチェッタは、どちらもとても美味しいことがわかりました!
見た目の違いとして、天日干しのパンチェッタの方が色艶が濃くて熟成されているように見えました。太陽の光や外気にふれて、豚バラ肉がゆっくりと脱水した結果だと思います。
次に自家製パンチェッタが本当に経済的なのかを調べてみます。
業務スーパーの豚バラ肉1kgの値段は1200円くらいでした。
これから天日干しで自家製パンチェッタを作ると、重量は672gになりました。
塩やハーブ類も使ったので、672
gの自家製パンチェッタの費用は1500円とします。
これに対してamazonで売っているパンチェッタを調べてみます。
85gで411円のパンチェッタが見つかりました。
自家製パンチェッタは672gで1500円です(672 ÷ 85 = 約7.9)。
市販のパンチェッタを672g買う場合は3247円になります(411円 × 7.9 = 約3247円)
つまりパンチェッタは、市販品の約半額で自分で作れちゃうんですね!
最後に、2種類の作り方のメリットとデメリットをまとめました。
作り方 | メリット | デメリット |
天日干しで作る 方法 |
・豚バラ肉を塩漬けした後に □天日干しするだけ。 ・干し網さえあれば作れます。 ・DIYで加工食品を作っている □気分に浸れます。 |
・天日干しは天候に左右される。 ・夜には取り込むので面倒。 ・冬~春の季節しか作れない。 ・思った以上に乾燥していて、 □肉がカチコチになります。 |
冷蔵庫で作る 方法 |
・どの季節でも作れます。 ・天候に左右されずに作れる。 ・基本的に冷蔵庫の中で放置で □OKです。 |
・ピチット脱水シートが何気に □高いです。 ・大量に作る場合はコスパが □悪くなってしまいます・・・ |
まとめ
今回は豚バラ肉を使ってパンチェッタを作る方法を紹介しました。
春になったので、天日干しとピチット脱水シートを使う2種類の方法で作ってみました。
カラスミ作りと同じ時期に作っていれば天日干しで作れたのですが、ピチット脱水シートを使えば、パンチェッタを1年中作れることが分かりました。
ちょっと面倒かもしれませんが、自分で作るので防腐剤などの添加物ゼロで作れます。
豚バラ肉を塩漬けしてから干し肉にするなんて、アウトドアっぽくて面白かったです。
防腐剤ゼロなので、保存は冷蔵庫の中にしましょう。
今回は2kgも作ってしまったので、使いやすい大きさに切って冷凍保存しました。
この記事を参考にしてトライする人は、全ての器具をアルコール除菌してください。
使い終わったフォーク、まな板もしっかりと洗いましょう。
(僕は洗ってから熱湯をかけて消毒しました)
自作パンチェッタですが、生で食べるとキケンなので加熱して食べてくださいね。
自己責任になりますが、楽しくトライしてみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。