我が家で使っている食洗器は、パナソニック製のNP-BM1です。
2007年から使っている、我が家のキッチンに無くてはならない存在です。
そんな頼りになる食洗器ですが、2021年7月ころから「ドア開」エラーが発生するようになりました。
「すすぎ」をしている最中に、「ピピッ!ドアが確実に閉まっていません。ドアを閉めなおして下さい」とメッセージが聞こえるのです。「ドア開」ランプが点滅しますが、すぐに消えて何事もなかったように動き出します。
おかしな動きですが乾燥まで動いてくれるので、そのまま放置していました。
8月になると1回の洗浄で3~4回メッセージを言うようになり、ついには「ドア開」ランプが点滅したまま運転が止まってしまう事態となりました・・・
ドアを一度開けて閉めなおしても、「ピピッ!ドアが確実に閉まっていません・・・」と言い続けます。あの~ドアは閉まっているんですが・・・
何度かドアの開け閉めをすると運転を再開する時もありますが、そのまま放っておくと運転を再開することもあります・・・この動きはいったい何でしょうか?
この現象ですが、最終的に分解してドアのセンサーを交換することで直せました!
この記事は、パナソニック製の食洗器「NP-BM1」の分解方法と、センサーの交換手順を紹介します。
記事を書いた人:みっく
・エンジニアとして勤務
・社内のサーバー管理、セキュリティ管理も担当
・DIYと料理が大好き、週末は料理担当
1.故障した食洗器NP-BM1の症状
食洗器を購入してからの修理履歴ですが、排水ポンプに詰まったゴミを取り除いたことがあります。分解がけっこう大変でしたが、その後は問題なく動いていました。
そして2021年7月になって、動きがおかしくなってきました。
2021年7月上旬の症状
①食器を入れて運転開始すると、正常にスタートできまる。
②しばらく洗浄していると「ドアが開いています」とメッセージが聞こえる。
③ところが、すぐに復帰して乾燥まで運転される。
2021年8月中旬からの症状
①食器を入れて運転開始すると、正常にスタートできまる。
②しばらく洗浄していると「ピピッ!ドアが開いています」とメッセージが聞こえる。
③「ドア開」ランプが点灯して運転が止まってしまう。
④ドアを閉めなおしても「ドアが正しく閉まっていません」と言われて停止したまま。
⑤何回かドアを閉めなおしていると「ドア開」ランプが消えて運転が再開する。
明らかに症状が悪化していますね・・・
運転再開のドア開閉の回数ですが、何回かの決まりはなくもはや運次第のレベルです。
運悪くドア閉を検知しなかったら、熱水満載の食洗器の後始末に困ってしまいますね。
ここで疑わしいのは、ドアセンサーの故障です。
しかし、ドアセンサーが故障してドア閉を検知できなくなったとしたら、食洗器の運転をスタートできないはずですね。でも実際には食洗器の運転はスタートできるので、運転中に何かの原因でドア閉を検知できなくなったと考えられます。
パナソニックのホームページに「修理診断ナビ」が用意されているので、調べてみることにしました。
品番:NP-BM1を入力します。
症状:「本体ランプが点灯/点滅する」-「点滅:ふた開(ドア開)」をチェックして
「診断結果をクリックします。」
診断結果は「ふた片閉まり異常」でした。「ふた片」と書いてありますね・・・
ドアの両側にある2個センサーのうち片側1個の調子が悪くてセンサーOFFになったので運転停止した、ということのようです。
食洗器NP-BM1のサイドカバーを取り外す方法
サイドカバーをはずすのに必要な工具は、ドライバーがあればOKです。
では実際に、ドアセンサーがどうなっているのか見てみましょう。
パナソニック製食洗器NP-BM1はサイドカバーをはずせば、内部のドアセンサーを見ることができます。サイドカバーをはずすためには、上カバーと後ろのカバーをはずしていきます。上カバーのネジは白色のシールで保護されているので、白色のシールをはがします。
次に、左右のネジ2個をはずします。
裏側両サイドのネジ4個をはずします。
裏側両サイドのプラスチックカバーをはずします。
上カバーをはずします。
上カバーの下に、サイドカバーを固定しているネジがあるのではずします。
左右に1個づつあります。
裏側に、サイドカバーを固定しているネジがあるのではずします。
左右に1個づつあります。
前面の底側に、サイドカバーを固定しているネジがあるのではずします。
左右に1個づつあります。
食洗器前面のネジ8個をはずします。これでサイドカバーをはずす準備ができました。
少し手前に引いてから上に持ち上げると、サイドカバーをはずすことができます。
サイドカバーをはずすと、ドア開閉の構造とセンサーを見ることができます。
ドアセンサーは、さらにプラスチック製のパネルで保護されていますね。
保護パネルは2箇所のツメで固定されているので、そっとはずします。
ドアセンサーは黒色で、スイッチは赤色になっています。
ドアを閉めると、白いプラ板の前の部分が下に押されます。
てこの原理でプラ板の後ろ側は上に上がるのでドアセンサーの赤いスイッチを押す、というしくみですね。
実際にドア開閉で撮影した写真を比較してみました。
確かにドアを閉めると、ドアセンサーの赤いスイッチが押されています。
ドアを閉めたときに白いプラ板と赤いスイッチにすき間があれば誤動作しそうなのですが、
すき間もなくピッタリと赤いスイッチを押しています。ドアを開けた状態で電源を入れると「ドア開」のランプが点灯します。
この状態でドアを閉めると「ドア開」のランプは消えます。
これだけを見ると正常なのですが、運転すると温度が上がったり振動もあるので、ドアセンサーが誤動作するのかもしれません。
試しにスイッチをはずして、銅線で短絡させてから運転してみました。
エンジニアとしては安全装置をはずすなんてやりたくないのですが、故障個所の特定の為にしかたなく試しました。ドアセンサーの故障が原因なら、センサーをはずしたので最後まで運転されるはずです・・・
黒いスイッチをはずして、銅線を差し込んでみました。
写真はありませんが、反対側も同じように黒いスイッチをはずして銅線を差し込みます。
食洗器の信号的には、ドアが閉まっている状態です。この状態で運転を開始してみました。
当然ですが、いつものように開始して「すすぎ」まで運転しています。
そして何事もなかったように乾燥が終了して、終了メロディが聞こえてきました!!
これで、黒いスイッチの誤動作が原因だったと証明できました。
まぁ購入してから14年間も毎日動いていたので、スイッチも限界だったのだと思います。
スイッチの故障とわかったので、スイッチを交換していきましょう。
ドアセンサーを交換する手順
使われていたスイッチはオムロン製のマイクロスイッチで、型番「D3V-01-3C23」と印刷されています。
これを2個新品に交換すればいいのですが、古い製品らしく販売していません・・・
それどころかオムロン社のカタログを見ても、型番「D3V-01-3C23」というマイクロスイッチが見つかりません。どうやら古すぎる部品で、現在の部品の型番とは違うようです。
古いカタログをネットで見つけました。
D3V-01-3C23の型番から使えそうな部品を探したところ、型番「D3V-01-1C23」という部品が使えそうです。しかし、納期が未定とのことなので、簡単に手に入らないようです。
D3V-01シリーズのカタログをよく見ると「形Vシリーズと取りつけ互換」と書かれています。このことから、型番「VX-01-1C23」という部品を使うことにしました!
接触仕様が「1a」⇒「1c」に変わってしまいますが、
実際に使うのは押した時につながる「a接点」なので問題ないです。
Amazonでは「VX-01-1C23」は見つからなかったので、楽天市場から購入しました。
注文してから、5日で配送されました。
電子部品が不足気味なのか、思ったよりも時間がかかりましたね。
今まで使っていた部品と、新しく購入した部品の比較です。
使っていた部品(D3V-01-3C23)は端子が2本でしたが、新しい部品(VX-01-1C23)は端子が3本ついています。写真のように、a接点になる上側の2本の端子を使います。
この2本の端子に、食洗器のコネクタを接続します。
コネクタを接続したら、食洗器の元の場所にマイクロスイッチを戻します。
マイクロスイッチを戻したら、プラスチック製の保護パネルも戻します。
サイドカバーを戻す前に、新しいマイクロスイッチを使って食洗器が正常に動くか試運転してみます。試運転する理由は、もしダメだった時に分解しなおすのが面倒だからです。
問題無く正常に運転が始まりました。このまま最後まで動き続けるのでしょうか?
結果は、最後の「乾燥」まで動いてくれて自動で電源OFFしてくれました!
マイクロスイッチを交換することで、DIY修理できましたね。
ドアセンサーの接続先の確認方法
マイクロスイッチを交換して無事に動くようになりました。
しかしドアセンサーを交換してもその配線の先に何か問題があれば、また同じ現象になってしまいます。せっかくここまで分解した状態なので、ドアセンサーの接続先を確認してみることにしました。
作業前に、電源コンセントを抜きましょう。直接、基盤を確認するので通電していると危険です。次に、給水ホースの元栓を閉めておきます。
我が家はキッチンの水道に給水ホースを接続しており、その接続点に元栓が付いているのでこれを閉めます。これを忘れると、食洗器の給水ホースをはずした時に水が吹き出ます。
コンセントを抜いて元栓を閉めたら、食洗器の後ろ側のネジ3個をはずします。
ネジをはずすと後ろカバーが倒れてくるので、気をつけましょう。
食洗器裏側の給水バルブを左にまわして、給水ホースをはずします。
給水バルブはきつく閉まっているので、プライヤーを使うと回しやすいです。
給水ホースには水がたまっているので、水がこぼれないようにシンクに置きましょう。
裏側左下に黒色のゴムキャップをはずすと、食洗器内にたまった水が出てきます。
洗面器などで水を受けましょう。水が出終わったと思っても、食洗器を傾けるとさらに水が出てきますので気をつけましょう。
食洗器の前面が上になるようにたおして、底が見える状態にします。
この状態で、ネジ3個をはずします。
ネジ3個をはずすと、前面の底パネルがはずれます。
ちょっと力を入れて持ち上げると、パコっとはずれます。
その底パネルにかくれている、ネジ2個をはずします。
底の下側のネジ2個をはずします。
排水ホースが付いていると底カバーがはずしにくいので、排水ホースもはずします。
これで底カバーがはずれると思ったら、スピーカーのケーブルが干渉していました。
スピーカーのコネクタをはずして、ようやく底カバーがはずせました。
底カバーをはずすと、ポンプや基盤が見えてきます。
ドアセンサーのケーブルを辿っていくと、白色のコネクタで基盤に接続されています。
コネクタの接点に汚れがついていると、誤動作の原因になるので確認してみましょう。
コネクタの接点はとてもキレイでした。このままでも使えそうです。
コネクタが取り付けられている基盤は、防水処理として樹脂がコーティングされています。水を使う機械なので防水対策は必須なのですね。
でもそのおかげで、コンデンサ等の通電チェックはできませんでした。
部品が1つでも壊れた場合は「基板交換」ということになりますね・・・
今回の調査では「目視」ですが、ドアセンサーからのケーブルは正常に基盤に接続されているようです。基盤の状態もキレイだったので、このまま使えると判断しました。
分解した方法と逆の手順で、そのカバーを元に戻します。
はずしたスピーカーのコネクタを接続するのを、忘れないようにしましょう。
サイドカバーと上カバーを元に戻して、修理&調査の終了です!お疲れ様でした。
まとめ
今回は、パナソニック製の食洗器「NP-BM1」のドア開エラーの修理方法を紹介しました。
ドアセンサーのマイクロスイッチの交換で修理できましたが、古い食洗器なので同じ部品が売っていなかったので代替品を探すのに苦労しました。
また、センサーの接続先の基盤まで確認しましたが、こちらは防水加工されていました。
基盤についている部品が故障した場合には防水加工の樹脂を取る必要があるので、
基本的には「基盤の故障=基板交換」になりそうです。
しかし古い食洗器の基盤がメーカーの在庫も少ないと思われるので、新しい食洗器に買い替えるのが現実的のようです・・・まぁ自分でできる範囲で直しつつ、少しでも長く使っていきたいですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。