実は個人的にハマっているのが、冬季限定のカラスミ作りです。
カラスミなんて高級品が作れるの?と最初は僕自身も思っていました。
でも実際に作ってみると、そんなに難しくなかったです。
というか工程はすごくシンプルで「塩漬け」「塩抜き」「日干し」の3工程で作れます。
むしろ、この3工程よりも「ボラの卵を買う」方が難しいくらいです。
では、ボラの卵でカラスミ作りを紹介しますね。
ボラの卵を購入する
ボラの産卵時期は10月過ぎの冬ですので、11月くらいには買えるはずです。
しかし、これが難易度の高いミッションでして、なかなか鮮魚コーナーでボラの卵が売っていないのです。
僕も11月と12月にボラの卵を買ったのですが、チャンスはこの2回だけでした。
知り合いの魚屋さんにも「ボラの卵を入荷したら教えて」とお願いしたのですが、入荷しなかったそうです。
もしかしたら海沿いに住んでいる方は買いやすいのかもしれません・・・地理的な条件ですかね?
ボラの卵ですが、そこそこいい値段をします。
1腹(2本の卵がくっついたもの)が380グラムで、約1800円でした。
昔はボラの卵が売っていなかったので、真タラや助宗タラの卵を代用して作っていました。
その時の経験があるのでボラの卵を見つけたら即買いしますが、
ちょっと高いな~と思う人は、まずは真タラの卵で挑戦するのもいいかと思います。
買ってきて一番最初にするのが、ボラの卵の重量を測ることです。
これが忘れがちですが、とても重要です。
なぜなら、カラスミ完成の目安になるからです。
最後の工程で日干しを行ってカラスミが完成しますが、元々の重さの約63%ぐらいが目安になります。
ボラの卵のお掃除
これが買ってきたボラの卵の2腹です。
慎重にえらんだつもりだったのですが、上の方の1腹は皮が破れて中身の魚卵が見えています・・・
でも大丈夫です。ボラの卵は、魚卵が出ていても問題無くカラスミに仕上がります。
買ってきたボラの卵はさっと水洗いします。ボールに塩水を作って、この塩水にボラの卵を着けます。
卵の表面についている血管から血を抜きます。
中央の太い血管を針で刺していきます。そして、血管内の血を針の穴から抜いていきます。
僕は裁縫用のマチ針を使いました。血を抜くときにはマチ針の頭の部分を使って、血を針の穴に誘導するように押していきます。
全行程の中で、ここが一番手間がかかります。
お店で売っているカラスミは細い血管の血まで丁寧に抜くと思いますが、
自分の家庭用に作るのでしたら太い血管の血抜きだけすればOKです。
特に皮が破れて中身の魚卵が見えている場合は、あまりいじらないようにしましょう。
破れた部分から出てしまったら魚卵は戻せませんので、あまりこだわらずに太い血管だけ血抜きしましょう。僕は裁縫用のマチ針を使っていますが、殺菌の意味で軽く火であぶってから穴をあけています。
ボラの卵の塩漬け
ボラの卵の血抜きが終わりましたら、軽く水洗いしてキッチンペーパーで水分をふき取ります。その後、ボラの卵を塩漬けします。
塩漬けに使う塩ですが、精製塩は使わずに海水塩を使いました。
精製塩はただ塩辛いだけで甘みもまろやかさも無いので、せっかく買った高いボラの卵には海水塩を使いましょう。
塩の量は特に決めていませんが、卵全体に塩をまぶすのでかなりの量を使います。
風味づけに、ローズマリーと乾燥バジルも一緒に塩漬けにしました。
破れにくいリードでボラの卵を塩漬けして包みます。
これを、さらにキッチンペーパーで包んでジップロックに入れて冷蔵庫に入れます。
あとは1日1回、水分を吸ったキッチンペーパをとりかえていきます。
キッチンペーパはびっくりするくらい水分を吸っていますが、1週間ほどすると卵の水分が抜けてカチカチになります。これて塩漬けの完了です。
ボラの卵の塩抜きと日干し
ボラの卵の塩抜き
塩漬けが終わったボラの卵を洗って、表面の塩を落とします。
その後、塩抜きを行います。塩抜きには水や日本酒、白ワインなどが使えます。
ただし、赤ワインは赤色に染まってしまうので使わないほうがいいです。
今回は和風に仕上げたいので、日本酒を使って塩抜きしてみました。
使った日本酒ですが、純米酒を使用しました。日本酒には本醸造、純米酒、吟醸酒・・・等の種類がありますが、せかっくの手作りカラスミなので、純米酒を選びました。
塩抜きに使う日本酒の量は、塩漬けが終わったボラの卵の重量の約1.5倍にしました。
この量は日本酒だけでなく、白ワインで塩抜きする場合も同じ量です。
ジップロックに日本酒とボラの卵を入れます。冷蔵庫の中で2日間、塩抜きをします。
塩漬けでカチカチになったボラの卵は、2日間で日本酒を含んでプルプルになります。
塩抜きが終わった後に残った日本酒ですが、料理酒として使えます!!
適度な塩分と魚卵の風味がついているので、捨ててしまうのはもったいないです。
ジップロックのまま保存して、料理に使いましょう。
ボラの卵の日干し
次は最後の工程である、日干しを行います。
ベランダの物干し竿などに干し野菜ネットをつるして、中にボラの卵を並べて日干しします。朝起きて晴れていたら日干しして、夕方になったら回収して冷蔵庫の中で入れます。
冷蔵庫に入れるときには、平面な物をボラの卵の上に置くと売り物のような平らなカラスミに仕上がります。僕はウィスキーの容器をボラの卵の上に置きました。
雨や雪の日は日干ししないでください。冷蔵庫の中に入れておくだけで乾燥が進みます。
日干しの期間ですが、大体2週間ほどかかります。
気象状態などで日数はかわりますが、見た目の色艶さや触った固さで判断します。
元々の重さの約63%ぐらいになったら、完成になります。
日干しが終わって完成したカラスミの保存には、真空パックで保存したいですね。
自動真空パックの機材を持っていないので、手動の真空保存道具を使っています。
こちらは、真空ポンプと真空パックがセットになっています。
カラスミを保存するには、Sサイズの真空パックがちょうどいい大きさですね。
まず、カラスミに消毒用としてウィスキーを塗ります。
(食用アルコールが無かったのでウィスキーで代用しました)
ウィスキーが乾いたら、オリーブオイルを薄く塗って、真空パックに入れて完成です。
このまま、冷蔵庫でしばらく寝かせます。
では、約4ヵ月冷蔵庫で寝かせたカラスミを出してみました。
表面の飴色の艶が増しています。冷蔵庫で4ヵ月寝かせたので、熟成が進んだようです。
ちなみに、日干しの工程で重しを乗せて形を平らにしましたが、重しを乗せないと丸い形のカラスミに仕上がってしまいます。
出来上がりを比較すると、平らなカラスミの方が高級そうに見えますね。
やはり重しを乗せて形を整えた方がいいですね。
では、早速食べてみましょう。
きれいな黄金色で、なかみもしっとりと艶がありますね。
食べてみると塩味もマイルドで、とても美味しいです。お酒が飲みたくなりますね!
まとめ
今回は、ボラの卵を使ったカラスミの作り方を紹介しました。
塩漬けや日干しで時間はかかりますが、そんなに難しい事もなく作れます。
そのままで食べても美味しいですが、パスタやお茶漬けにしても美味しいです。
真タラや助宗タラの卵でも、この作り方でカラスミに仕上がります。
しかし、見た目がボラの卵と他の卵ではかなり違います。
やっぱりボラの卵のカラスミは、表面は飴色の艶が出てキレイです。
食感も、ねっとりとしていて美味しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。