我が家で使っているプリンタは、エプソン製のEP-808AWです。
2015年から使っていて、当時は年賀状や子供の成長記録ブルーレイのラベル印刷に大活躍していました。最近は子供が小学生になったこともあって、たまにのコピーや年賀状印刷に使っていました。
そんなある日、医療費控除の提出資料を印刷するとスジがはいって印刷されました・・・
何度印刷しても、かならず黒色に白いスジが入って印刷されます。
時間が無かったこともあって、資料を提出してしばらく忘れておりました。
しばらくして子供が図鑑のコピーをとると、スジがはいっているとクレームがきました。
調べてみると、この現象はインクの目詰まりが原因のようです。
ならば目詰まりなおせば、プリンタも復活するというわけですね。
簡単にインクの接点の部分からトライしましたが、インクヘッドを取りはずしてお湯につけこむ方法で復活しました!
せっかくなので、インクの目詰まり対策でトライした3つの方法を紹介します。
プリンタがキレイに印刷できない場合の、参考にしてください。
(くれぐれもお湯をプリンタ内部にこぼさないように・・・自己責任でお願いします)
記事を書いた人:みっく
・エンジニアとして勤務
・社内のサーバー管理、セキュリティ管理も担当
・DIYと料理が大好き、週末は料理担当
黒色インクの目詰まりの状態
まず最初に、現状の黒色印刷の状態を確認してみます。
広告を黒色コピーしてみました。一定間隔で白いスジが入って印刷されます。
次に「プリントヘッドのノズルチェック」をしてみました。
やはり黒色はインクは、印刷されないパターンがありますね・・・
以上2点のチェックで、プリンタのヘッドの黒色が目詰まりしていると判断しました。
では実際に、黒色の目詰まりをなおしていきましょう。
その前にプリンタに使われているインクについて、ちょっと説明します。
カラリオプリンターのインクには、「染料インク」と「顔料インク」の2種類があります。
染料インクと顔料インクではインクの特性に違いがあるため、写真作品の色再現性や保存性が異なっています。
1.染料インクの特性
染料インクでは、色材が水分中に溶け込んでいます。
そのため、用紙に染み込みやすいという特性を持っています。
2.顔料インクの特性
顔料インクでは、インク内に色材が粒子の状態で存在しています。
色材が用紙の上に付着して、インクが用紙に染み込みにくいという特性を持ちます。
エプソン製プリンタ:EP-808AWは「染料インク」を使うタイプでした。
なので、この記事で紹介する方法は「染料インク」を使うプリンタでトライしてください。
インクとの接点に無水エタノールを注入する方法
プリンタにセットしたカードリッジは、ヘッド内部の接点からインクが流れてきます。
ということは、このヘッド内部の接点に無水エタノールを注入すれば目詰まりしたインクを溶かせそうです。
<必要な物>
無水エタノール、針のない注射器、小さなカップ、コピー用紙
①プリンタ本体で「インクカートリッジの交換」を実行します。
②プリンタのカバーをあけて、目詰まりしたインクのカートリッジをはずします。
適当な大きさにカットしたコピー用紙を、インクヘッドの下に差しこみます。
③無水エタノールを針のない注射器に吸い取ります。
小さなカップに、少量の無水エタノールを注ぎます。
そして針のない注射器で、小さなカップの無水エタノールを吸い取ります。
④インクとの接点に無水エタノールを注入します。
黒色インクの接点に、針のない注射器で無水エタノールを注入します。
黒色インクの接点に、針のない注射器で無水エタノールを注入しました。
この状態で、目詰まりしたインクが溶けるのを少し待ちます。
⑤インクとの接点に注入した無水エタノールを吸い取ります。
しばらく待ったら、針のない注射器を黒色インクの接点にあてます。
そして、注入した無水エタノールを吸い込みます。
気になる場合は、③~⑤を繰り返してもいいです。
⑥インクカートリッジを戻します。
インクカートリッジをもどす前に、ヘッドの下に差し込んだコピー用紙を抜き取ります。
はずした黒色カートリッジを、元にもどします。
これで作業終了です。では「プリントヘッドのノズルチェック」をしてみましょう。
な、なんと全く改善されていません!!
黒色インクでは残念な結果になってしまいました。
でも手軽に試せるので、他の色のインクの目詰まりの場合にはトライしてみましょう。
インクヘッドを取りはずして、無水エタノールでキレイにする方法
無水エタノールでなおると思ったんですけど、黒色インクは溶けにくいようです。
ならば・・紙に印刷するヘッドを直接、無水エタノールで掃除してみることにしました。
①プリンタ本体で「インクカートリッジの交換」を実行します。
②プリンタのカバーをあけて、全てのインクのカートリッジをはずします。
取りはずしたインクカートリッジは、インクが乾燥しないように接点をラップでつつんでおきます。
③プリンターのヘッドを取り出します。
インクを取り出したら、ヘッドの上カバーをはずします。
上カバーの側面にツメが2カ所あります。
この2カ所のツメを起こして、上カバーをはずします。
ラジオペンチで、インクの底カバーをはずします。
インクヘッドを固定しているネジ4個をはずします。
ネジ4個をはずしたら、インクヘッドが取りはずせます。
プリンターのヘッドを取り出しました。
④ヘッドを無水エタノールでキレイにします。
無水エタノールを、小さなお皿に注ぎます。
この無水エタノールをティッシュペーパーに浸して、ヘッドをやさしくふきます。
ついでにインクカートリッジ内部の、インクとの接点も無水エタノールでキレイにします。
⑤インクカートリッジを戻します。
「③プリンターのヘッドを取り出します。」の逆の手順で、取り出したヘッドを元にもどします。ヘッドについているケーブルを断線しないように、気をつけましょう。
これで作業終了です。では「プリントヘッドのノズルチェック」をしてみましょう。
おおっ。完全ではありませんが、黒色のパターンがかなり復活しています!
では修理前と比較してみましょう。
広告をコピーしてみました。修理前よりはいいのですが、まだ白いスジが残っています。
なるほど、そりゃそうだ。でも進捗があっただけでもうれしいですね。
インクヘッドを取りはずして、お湯にしばらく漬け込む方法
ヘッドを無水エタノールでキレイにしたら、黒色インクの目詰まりが少し改善されました。
やはり直接ヘッドにあいている無数の穴の、どこかが目詰まりしているのです。
無水エタノールでも溶けないならば・・・ヘッドをお湯に漬け込んでみることにしました。
エプソン製のプリンタ:EP-808AWは「染料インク」が使われています。
染料インクは水性(色材が水分中に溶け込んでいる)なので、
お湯に漬ければ目詰まりしたインクが溶けると考えました。
下記の①~③は「3.インクヘッドを取りはずして、無水エタノールでキレイにする方法」を参照にして、ヘッドを取り出してください。
①プリンタ本体で「インクカートリッジの交換」を実行します。
②プリンタのカバーをあけて、全てのインクのカートリッジをはずします。
③プリンターのヘッドを取り出します。
④ヘッドをお湯に漬け込みます。
ヘッドをお湯に漬け込む容器として、盃(さかずき)をつかいました。
盃をインクカードリッジ入れの中に置いて、その盃の上にヘッドをのせます。
約70℃くらいのお湯を用意して、黒インクの接点の部分にお湯を少しかけます。
次に盃にお湯を注いで、裏のヘッドがお湯につかるようにします。
プリンタ内部に、お湯をこぼさないように気を付けてください。
お湯をこぼすと、プリンタの故障につながります。
自己責任で慎重にお湯を注いでください。
盃の中のお湯が、溶けたインクで真っ黒になっています。
この状態で40分くらい放置しておきました。
お湯が真っ黒になったので、もう1回新しいお湯に交換しました。
2回目も40分くらい放置しました。
そしてヘッドを、ティッシュペーパーで拭いて仕上げました。
インクヘッドがとてもキレイになりました。
⑤インクカートリッジを戻します。
取り出したヘッドを元にもどします。
ヘッドについているケーブルを断線しないように、気をつけてヘッドを元にもどします。
これで作業終了しました。では「プリントヘッドのノズルチェック」をしてみましょう。
結果は・・・黒色のパターンが完全に復活しています!
マゼンタ(M)に印刷されないパターンがありますが、ライトマゼンタ(LM)が完全なのでカバーしてくれると思います。
黒色のインクは似ている色が無いので、目詰まりすると目立つようです。
では、修理前と比較してみましょう。
広告をコピーしてみました。白いスジが消えました!!
というわけで黒色インクの目詰まりは、ヘッドをお湯に漬け込むのが効果的でした。
まとめ
今回はエプソン製のプリンタ:EP-808AWの、黒色インクの目詰まりをなおす方法を
紹介しました。
無水エタノールを使えばインクが溶けて目詰まりがなおると思ったのですが、
黒色インクは乾燥すると固くなるのかヘッドをお湯に漬け込む必要がありました。
でもヘッドをお湯に漬け込むには、分解してヘッドを取り出す必要があります。
まずはお手軽な無水エタノールを使う事から、トライするのをおすすめします。
ヘッドをお湯に漬け込む方法は、おそらくインクの目詰まり対策の最終手段だと思います。
物理的にヘッドにキズがついた場合は、この記事の内容でトライしてもなおりません。
この場合は、素直に新しいプリンタに買い替えましょう。
エプソンのインクジェット複合機には、標準タイプと低価格タイプの2種類がラインナップされていますね。
ぼくの場合は今使っているのがEP-808AWなので、後継機のEP-884AW(標準タイプ)を選ぶと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。