まさかのWindows11が公開されてから約1年半が過ぎました。
Windows10が最後のバージョンと言われていたので安心してゲーム用パソコンを買ったのですが、その数年後にはWindows11が発表されてしまいました。
Windows8からWindows10のように簡単にアップデートできると思ったら、Windows11はかなり手強いです・・・
何が手ごわいかというと「CPUが第8世代以降」という巨大な壁があるのです。
(第七世代でも一部のCPUはアップデート可能です)
僕のマシンのCPUはcore-i7-7700(第7世代)なのでアップデートできませんでした。
Windows10のサポート期限は2025年10月14日までなので、まぁいいかと使い続けていました。しかし2023年に突入しまして、あと2年しか猶予がなくなりました。
あっという間に月日が過ぎ去る前に、考えられる2つの対応を検討しました。
①素直に新しいWindows11のゲームパソコンを購入する
②現状のゲームパソコンを、何とかしてWindows11にアップデートする
いろいろ考えているうちに、昔は自作マシンを組んでいた記憶がよみがえってきました。
マザーボードとCPUをセットで交換すれば、Windows11アップデートの要件をクリアできます。というわけで、実際にマザーボードとCPUを交換してWindows11にアップデートしてみました。
ゲームマシンがスリムタイプだったのでパーツを外すのに苦労しましたが、問題なく動いてくれました。
この記事ではゲームパソコンのマザーボードとCPUを交換してWindows11にアップデートする方法を紹介します。
記事を書いた人:みっく
・エンジニアとして勤務
・社内のサーバー管理、セキュリティ管理も担当
・DIYと料理が大好き、週末は料理担当
マザーボードを交換する前にすること
一般的なゲーム用パソコンは完全な自作ではなく、ドスパラやマウスコンピューターといったパソコン工房で購入すると思います。
購入したパソコンにはWindows10は既にインストールされているので、このWindows10はOEM版(Original Equipment Manufacturing)です。
このOEM版のWindows10は、パソコンのマザーボードに紐づけられています。
つまりマザーボードを交換すると、Windows10が使えなくなってしまうのでしょうか?
というわけでマザーボード交換前に、Windows10とMicrosoftアカウントを紐付けさせているか確認しましょう。[Windowsキーを右クリック]→[設定]→[アカウント]→[ユーザーの情報]を開きます。
「ローカルアカウントでのサインインに切り替える」と表示されていればOKです。
「Microsoftアカウントでのサインインに切り替える」と表示されていたらクリックしましょう。Microsoftアカウントとパスワードを入力して、ログインするときに入力しているパスワードを入力します。
次に「デジタルライセンス」認証が成功しているかどうか確認しましょう。
[Windowsキーを右クリック]→[設定]→[更新とセキュリティ]→
[ライセンス認証]を開きます。
デジタルライセンスにて、ライセンス認証が成功していますね。
これでマザーボードを交換しても、Microsoftアカウントでログインして認証を行えばWindows10を使うことができます。
交換するマザーボードとCPUの選定
これが僕の使っているゲーム用パソコンのドスパラ製「GALLERIA ST」です。
ミネラルウォーターのペットボトルと、大きさを比較してみました。
現状のGALLERIA STのスペックです。
CPUとGPUはもともとのパーツから変更してありますが、CPUが第七世代なので、Windows11にアップデートできません・・・
(もともとのCPU:Intel Core i5-7500、GPU:Geforce GTX 1080 6G)
種 類 | 名 称 | 特 徴 |
マザーボード | ASRock H270M-ITX/ac | 第6,7世代CPUに対応 |
CPU(プロセッサ) | Intel Core i7-7700 (消費電力:65W) |
第7世代のCPU(Core i7) |
GPU(グラフィックス) | Geforce GTX 1080 | GPUは、Windows11の システム要件に含まれない |
CPUを第8世代以降に変更するためには、第8世代以降に対応したマザーボードに変更する必要があります。パソコンの動きが遅くなってもいいから、第7世代のCPUもシステム要件に入れてほしかったですね。きっとこのまま第7世代より前のCPUは切り捨てられていくのでしょう・・・
ASRockのマザーボードが使われていたので、同じメーカの後継品を使うことにしました。
GPUもひと昔前のGeforce GTX 1080なので、とくに最新の構成でなくてもOKです。
(とはいえ僕がゲームをプレイする分には何の問題もない)
というわけで、このような構成にすることにしました。
種 類 | 名 称 | 特 徴 |
マザーボード | ASRock H570M-ITX/ac | 第10,11世代CPUに対応 |
CPU(プロセッサ) | Intel Core i5-11400 (消費電力:65W) |
第11世代のCPU(Core i5) |
GPU(グラフィックス) | Geforce GTX 1080 | GPUは、Windows11の システム要件に含まれない |
こちらが、ASRock製マザーボード:H570M-itx/acです。
このマザーボードは、第11世代のCPU(Core i5-11400)が使えます。
電源のキャパが心配ですが、今使っているCore i7-7700と同じ消費電力:65Wなので問題ないでしょう。CPUはAmazonで購入できます。
マザーボードはAmazonでは見つかりませんでしたが、楽天市場にはありました。
ゲームパソコンを分解していく
ではゲーム用パソコンのGALLERIA STを分解していきましょう。
作業の手順は以下になります。
①光学ドライブのトレーのベゼルをはずす。
②パソコンのサイドパネルをはずす。
③SSD(HDD)を取りはずす。
④GPUを取りはずす。
⑤マザーボードに取り付けられている部品・ケーブルをはずす。
①光学ドライブのトレーのベゼルをはずす。
マザーボードを交換するので、マザーボードに取り付けた部品をはずす必要があります。
GALLERIA STの部品の中で一番大きなものがGPUです。
このGPUと光学ドライブが1つのフレームに固定されています。
つまりGPUをマザーボードから取りはずすと光学ドライブも一緒にはずれますが、
トレーのベゼルがケースに干渉します。なので、最初にトレーのベゼルをはずしましょう。
トレーを引き出して、上側のツメをマイナスドライバーでこじります。
ベゼルを壊さないように、少しずつ上下を引っ張ってはずしていきます。
なんとかベゼルがはずれました!3ヵ所のツメでトレーに固定されていました。
②パソコンのサイドパネルをはずす。
パソコンを横にたおして、背面のネジ2個をはずします。
サイドパネルを手前に引くようにしてはずします。
サイドパネルのファンに配線がありますので、コネクタをはずしましょう。
③SSD(HDD)を取りはずす。
SSDに接続しているケーブルをはずします。
次にSSDを固定しているネジをはずして、SSDを取りはずします。
GPUが接続しているフレームのネジ6個をはずします。
マザーボードのPCI-Expressスロットのロックをはずします。
ツメみたいな部品がロックです。これを上から押すとロックが解除します。
GPUが固定されているフレームを取りはずします。
PCI-ExpressスロットからGPUをはずすイメージです。
マザーボードからGPUを取りはずしました!
GALLERIA STはスリムタイプなので、マザーボードの交換は大変です。
⑤マザーボードに取り付けられている部品・ケーブルをはずす。
マザーボードにとりつけられたメモリをはずします。
メモリをはずすには、まずロックを横に倒して解除します。
ロックを解除したら、メモリを上に引き抜きます。
マザーボードに接続しているケーブルを全て引き抜きます。
次にマザーボードを固定しているネジ4個をはずします。
スペースが狭くて苦労しましたが、マザーボードとI/Oパネルを取りはずせました!
マザーボードとCPUを交換する手順
取りはずしたマザーボード(H270M-ITX/ac)と交換するマザーボード(H570M-ITX/ac)を比較してみます。メーカーも規格も同じ後継品なので交換できそうです。
作業の手順は以下になります。
①古いマザーボードのCPUクーラーをはずす。
②交換するマザーボードにCPUクーラーを取り付ける。
③交換するマザーボードをパソコンに取り付ける。
④マザーボードに部品・ケーブルを取り付ける。
⑤SSDとサイドパネルを取り付ける。
①古いマザーボードのCPUクーラーをはずす。
CPUクーラーは交換するマザーボードで流用するのではずしましょう。
CPUクーラーの4ヵ所のロックをまわして解除します。
CPUクーラーをはずしました。
CPUとCPUクーラーに残ったグリスを、無水エタノールでふき取ります。
②交換するマザーボードにCPUクーラーを取り付ける。
交換するマザーボード(H570M-ITX/ac)に取り付けたCPU(Core i5-11400)に、
CPUグリスを塗ります。
CPUにグリスを塗ったら、CPUの上にCPUクーラーを取り付けます。
CPUクーラーを取り付けたら4ヵ所のロックを、左にまわしてから押して固定します。
CPUクーラーとサイドパネルのファンのコネクタを、マザーボードに接続します。
③交換するマザーボードをパソコンに取り付ける。
古いマザーボードから取りはずしたメモリを、新しいマザーボードに取り付けます。
新しいマザーボードのI/Oパネルを取り付けて、新しいマザーボードをパソコンに取り付けます(古いマザーボードのI/Oパネルは使えません)。
新しいマザーボードを取り付けたら、4ヵ所のネジで固定します。
④マザーボードに部品・ケーブルを取り付ける。
取りはずしたコネクタ類を、交換したマザーボードに取り付けます。
最後にGPUを取りつけます。
マザーボードのPCI-Expressスロットに、GPUの接点を差し込んで取り付けます。
GPUを取り付ける前に、光学ドライブのケーブルを差し込んでおきます。
GPUのフレームを取りつけたら、PCI-Expressスロットのロックを上げて固定します。
光学ドライブのケーブルを接続します。次にGPUのフレームを6個のネジで固定します。
⑤SSDとサイドパネルを取り付ける。
SSDを元にもどします。SSDをネジで固定して、ケーブルを接続します。
サイドパネルのファンに、コネクタを接続します。
最後にサイドパネルをネジで固定して、作業終了です。
つ、ついにマザーボードの交換が完了しました。
I/Oパネルを比較してみましょう・・・やはり多少違いますね。
苦労してマザーボードを交換しましたが、パソコンが動くかわかりません。
ドキドキしながらケーブル類を接続して、電源ONしてみました・・・
おおっ。ASRockとモニターに表示されました!
そして違和感なくWindows10が立ち上がってきました!
マザーボードを交換したので、Windows10にサインインできませんでした。
しかし、マイクロソフトアカウントと連携してあるので大丈夫なはずです。
LANケーブルを接続して、「暗証番号(PIN)をセットアップする」をクリックします。
マイクロソフトアカウントのパスワードを入力して、「サインイン」をクリックします。
SNSにコードを送信する画面が表示されるので、「SNSに送信」をクリックします。
登録してある電話番号の最後の4桁を入力して、「コードを送信」をクリックします。
スマホにコードが書かれたSNSが届きます。
このコードを入力して、「確認」をクリックします。
PINを再設定するので「続行」をクリックします。
PINを入力して「OK」をクリックします。
ついにマザーボードを交換したGALLERIA STで、Windows10のサインインできました!
無事にGALLERIA STが、第11世代CPUパソコンとしてよみがえりました!
では、本当に交換したマザーボードとCPUを認識しているか確認しましょう。
システム構成で確認してみます・・・交換したCore i5-11400とH570M-ITX/acを認識しています。
ついにGALLERIA STが第8世代の高い壁を乗り越えました!
そして「Windows11を実行できます」とうれしい画面が表示されました!
最後に、光学ドライブのトレーのベゼルを取り付けて作業終了です。
お疲れさまでした。
Windows11にアップデートする手順
ゲーム用パソコン「GALLERIA ST」のマザーボードとCPUを交換して、Windows10で使えるようになりました。いつWindows11にアップデートしようかな?と考えていました。
しかし意外にもあっさりとWindows11にアップデートすることになりました。
なんと、普通にWindows Updateで催促されました。
WindowsXPを新規にインストールした時と違って、何となくWindows11はWindows10の上位版のOSのようですね。ソフトウェアライセンス条項が表示されますので「同意してインストール」をクリックします。
あっさりとWindows11がインストールされています。
放置していたらWindows11がインストールされていて、再起動を要求されていました。
「今すぐ再起動する」をクリックします。
パソコンが再起動すると・・・Windows11として起動しました!
ではシステム情報を見てみましょう・・・たしかにWindows11と表示されています!
気になるWindows11の更新プログラムも、配信されてインストールできました。
Steamでゲームをプレイしてみる
ゲーム用パソコンをWindows11にアップデートできたので、Steamでゲームをプレイできるかテストしてみましょう。
「バイオハザードRE:3」を実際にプレイしてみました。
実際にプレイしてみると、キレイな映像に驚かされます。
プレステ時代のジルの顔は覚えていませんが、まー美しいこと。
そんなジルをうっとり眺めていると、巨大な敵が壁を壊して襲ってきます。
追い詰められたジルですが、カルロスに助けられます。
ここから2人で協力して、ラクーンシティからの脱出を目指します。
数年前にクリアしいますが、バイオハザードRE:2に比べて少しボリューム的に少ないかな?と感じますね。
バイオハザードRE:2ではレオンとクレアという2人の主役に加えてエイダ様という、影の主役と感じるキャラのシナリオがあるからです。
バイオハザードRE:3もパートナーとしてカルロスが操作できますが、シナリオ上でジルが感染してしまうのでその間の補完作業という感じですね。
まぁしっとりと、大人の色気のジルを操作して楽しみましょう。
クリア後には、強化武器を使うことができます。
まずはバイオ定番の無限ロケランです。ゾンビなどは1撃で粉砕できます。
まさに無双状態なのですが、素早い敵には当たりづらいです。ロケランの弾道が見えるのですが、すこし遅くて敵に当たらなければ背後に飛んで行ってしまいます。
次にRAI-DENという武器があります。敵の急所に当てれば1撃で倒せます。
名前の通りに電撃を発射するのですが、これがなかなか急所に当たりません。
しかも連射機能がないので、急所に当たらなければダメージ覚悟の上級者向きです。
最後に紹介する武器が、HOT-DOGGERです。
見ためは少し短い「炎の剣」ですね。攻撃した敵を炎上させる効果があります!
「るろうに剣心」に登場した、志々雄真実の剣技を再現できるかもしれません。
では実際に攻撃してみましょう。『壱の秘剣・焔霊(ほむらだま)!!』
あらっ、ふつうにナイフで攻撃するアクションですね。
たしかに攻撃したゾンビは切り口が焼けたようですが、これをメインで使うのは難しいですね。ナイフクリアを目指せる人でしたら、かなり重宝すると思います。
Windows11にアップデートできたので、SteamでバイオハザードRE:4をプレイするのが楽しみです。
まとめ
今回はゲーム用パソコンのマザーボードとCPUを交換して、Windows11にアップデートする方法についてまとめました。
Windows11はCPUの最小要件が第8世代なので、4,5年前のパソコンだとアップデートできません。せめて第7世代CPUぐらいは救ってほしかったのですが、現実はキビシイですね
元々使っていたマザーボード「ASRock H270M-itx/ac」は、第6,7世代CPUに対応しているので、CPUだけ第8世代を買ってきても取り付けられません。
つまりCPUとマザーボードをセットで交換する必要がありました。
今回は最新ではありませんが、第11世代として「ASRock H570M-itx/ac」と「Core i5-11400」に交換しました。同じメーカー(ASRock)の後継マザーボードだったので、交換自体はむずかしいありませんでした。
ところがゲーム用パソコンが「GALLERIA ST」という、スリム型のパソコンだったのが問題でした。せまいケースの中にパーツがぎっしり詰まっていました・・・
GPUをはずそうにも光学ドライブとセットになっていたりトレーのベゼルがケースに干渉していたりと、けっこう複雑でしたが問題なく動いてよかったです。
この記事を参考にしてマザーボードとCPUの交換をする場合は、自己責任で慎重にトライしてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。