子どもが生まれた時や小さいときは、よくビデオで動画を取っていました。
1年間の成長を編集してブルーレイにまとめたりと、趣味で動画編集とオーサリングをしたものです。ところが子どもが成長して小学生になると、不思議とビデオ撮影しなくなってしまいました。秋の運動会や、冬にスキーに行ったときにビデオ撮影するくらいです。
日々の思いでをもっと残さなくては・・・とふと思った時に思い出したのが、さらに古い日々の思い出です。
昔の我が家ではソニー製ハンディカム「DCR-HC96」を使って、旅行に行ったときはビデオ撮影をしていました。
子どもが生まれてからは、内蔵メモリ方式のハンディカムを使っていますが、
夫婦の思い出は古いハンディカムで撮影したMiniDVテープに残ったままです。
当時のハンディカム「DCR-HC96」が動くことは、すでに確認済みです。
複雑なメカ構造の古いハンディカムが動くうちに、大量に保管してあるMiniDVテープを
デジタル化してみました。
この記事では、MiniDVテープのデジタル化の方法を紹介します。
記事を書いた人:みっく
・エンジニアとして勤務
・社内のサーバー管理、セキュリティ管理も担当
・DIYと料理が大好き、週末は料理担当
古い写真フィルムのデジタル化の方法は、この記事を参考にしてください。
MiniDVテープを取り込む方法について
MiniDVテープを取り込む方法について、DVD/ブルーレイレコーダーに取り込む方法と、
パソコンに取り込む方法があります。また、それぞれに映像/音声の送信方法として
DV端子を使う方法とコンポジット(赤白黄の黄色)を使う方法があります。
取り込み先 | 映像/音声の送信方法 | |||
DV端子 | コンポジット(赤白黄ケーブル) | |||
メリット | デメリット | メリット | デメリット | |
DVD/ブルーレイレコーダー | 無劣化で取り込める。ただしレコーダーでしか再生できない。 | DV端子のついたレコーダーが少ない。また、パソコンに取り込むにはDVD作成する等の作業が必要。 | たいていのレコーダーには端子がついている。ただしレコーダーでしか再生できない。 | 画質が劣化する。 |
パソコン | 無劣化で取り込める。 | 最近のパソコンにはDV端子がついていない。 | DV端子のないパソコンでも取り込める。 | 画質が劣化する。 キャプチャーする機器が必要。 |
大切な思い出を残したいので「コンポジットからの取り込み」ではなく、
「DV端子からの取り込み」がおススメです。MiniDVテープを無劣化で取り込めますから。
とはいっても、元の画質が良くなるわけではありません。
いい意味でも悪い意味でも、テープに記録された画質のままで保存されます。
さっそく取り込みを始めたいところですが、まずはビデオカメラが再生できるか確認しましょう。再生しても「青色の画面しか再生されない」「四角い黒色のノイズが入る」場合には、ビデオカメラのヘッドが汚れています。ヘッドのクリーニングが必要です。
しかしキレイにヘッドをクリーニングするには、ビデオカメラを分解する必要があります。
分解しないでクリーニングする場合には、ヘッドクリーナーを使いましょう。
2021年でも、この「クリーニングカセット」が販売していることが驚きです。
MiniDVテープをヘッドにつけて再生するということはヘッドも汚れるので、現代でもニーズがあるという事ですね。新品が販売していると思わなかったので、ハードオフのジャンクコーナーを探していましたよ。(よくよく考えると中古のクリーニングカセットを使うとさらにひどくなるような気が・・・)
DV端子を使って取り込むには、DV端子用のケーブル「i-LINKケーブル」が必要です。
いろいろなメーカーから販売しているようですが、DV規格はソニーの規格です。
なので、僕は安心のソニー純正をケーブルを使っています。
DV入力端子のついているレコーダーに取り込む方法
まずは、DV入力端子のついている「DVD/ブルーレイレコーダー」があることが前提です。我が家では、パイオニア製の「DVR-DT90」というDVDレコーダーがあります。
これにDV入力端子がついていたので、こちらで説明いたします。
デッキの前面パネルを開けるといろいろな端子の中にDV入力端子があります。
このDV入力端子と、ハンディカムのDV出力端子をi-LINKケーブルで接続します。
ハンディカムのバッテリー動作は不安なので、必ず電源ケーブルを使います。
DVDレコーダーで、DV取り込みを行っていきます。
ハンディカムの電源を入れて、再生モードにしておきます。
DVDレコーダーの「ホームメニュー」から「ダビング」を選択します。
「ダビング方向選択」画面から「DV取り込み」を選択します。
「DV取り込み」画面から「HDDに取り込む」を選択します。
「録画 開始」を選択すると自動でハンディカムが再生されて、レコーダーへのDV取り込みが始まります。
「録画 開始」を選択して、レコーダーのDV取り込みが始まりました。
動画ファイルのコピーではなくて、本当にテープを再生して画像データを取り込みます。
60分のテープ1本の取り込みにかかる時間は、再生時間と同じ60分。
何だかのんびりとした昔の時代が懐かしいですね。
はい。なかなかキレイに再生できていますね。
でもハイビジョン画質に慣れてしまった目には、どうにも粗さが目立ってしまいます。
SD画質(標準画質)なので、いい意味で昔っぽくて味があるようにも見えます。
DV取り込みが終われば、DVDレコーダーに録画した動画として再生できます。
DV入力端子のついているレコーダーを持っていない場合は、ダビングサービスを利用する方法があります。デジタル化のためだけに中古のレコーダーを買うのも考え物ですね。
デジタル化するDVテープがたくさんあるのでしたら、手間と時間の節約になりますよ。
DV入力端子のついているパソコンに取り込む方法
まずは、DV入力端子のついている「パソコン」があることが前提です。
最近のパソコンには、まずDV入力端子はついていませんね・・・
我が家では、富士通製のノートパソコン「FMV-BIBLO NF/B70W」に、DV入力端子がついていました。(OSはあまり評判の良くなかった、Windows vistaです)
このDV入力端子と、ハンディカムのDV出力端子をi-LINKケーブルで接続します。
ハンディカムには、必ず電源ケーブルから電源供給します。
i-LINKケーブルで接続してから、ハンディカムの電源を入れて再生モードにします。
「デジタルビデオデバイス」の子画面が表示されるので、「ビデオの読込み」をクリックします。
「ビデオの読込み」画面で、保存するファイル名、保存先フォルダ、形式を入力します。
形式は、MiniDVテープの内容を無劣化で取り込みたいので、「Audio Video Interleaved」を指定します。
AVI形式で動画が保存されますが、この形式はファイルサイズがとても大きくなります。
画面にも書いてありますが、1時間当たりのファイルサイズは約13GBです!!
取り込み先のパソコンのハードディスクの空き容量に注意しましょう。
「ビデオ全体をコンピュータに読み込む」をチェックして、「次へ」をクリックします。
「次へ」をクリックすると、いきなりDV取り込みが開始します。
プレビューに再生中の映像が表示されます。ノイズが映った場合は一度停止して、ハンディカム本体で「巻き戻し」をしてから再度DV取り込みをしましょう。
DV取り込みですが、MiniDVテープに記録された動画を最後まで再生終わっても自動で終了してくれません。AVIファイル自体は再生された動画の最後までが保存されています。
つまり、60分のMiniDVテープ中の30分だけ録画されていた場合、AVIファイルは30分間の録画内容が保存されますが、60分のテープ終了までDV取り込み画面は終わりません。
無駄に無録画部分のテープを再生していることになります・・・
ハンディカム本体で再生を停止すれば、DV取り込み画面が終了します。
MiniDVテープを無劣化でパソコンに取り込めるのはうれしいのですが、なんせファイルサイズが大きいです。60分のテープ1本で約13GBなので、100本テープがあったら1300GB(=1.3TB)にもなります。しかも取り込み時間も本数に比例するので、6000分(=100時間)という膨大な時間が必要になりますね。
せっかくパソコンに取り込んだので、画質の向上やファイルサイズの圧縮をしてみたいですね・・・
でもまずはMiniDVテープを取り込んだバックアップとして保存しておきましょう。
外部HDDにコピーしたり、ブルーレイメディアに焼いて保存しましょう。
コンポジットからパソコンに取り込む方法
DV入力端子のついているパソコンがあればススメしませんが、DV入力端子のついていないパソコンや8ミリビデオカメラから取り込む場合には、コンポジット(赤白黄の黄色)ケーブルを使って取り込みます。
DV端子からの取り込みと違って、ビデオカメラからの映像・音声信号をパソコン側でキャプチャー(録画)するのでキャプチャー用の機材が必要になります。
今回は、I-Oデータ製のUSB接続ビデオキャプチャー「GV-USB2」を使いました。
かなり昔に買ったのですが、今でも販売していました。
マニュアルとソフトインストール用のCD、キャプチャー用のケーブルが同封されています。スマホに直接取り込める「アナレコ」というアプリは、2020年11月30日でGoogle Playから削除されております。なぜ削除されたかは不明ですが、パソコンに取り込むには必要ありません。
キャプチャーするパソコンは先ほどDV取り込みで使った、富士通製のノートパソコン「FMV-BIBLO NF/B70W」です。(OSはWindows vistaです)
まずはCDをパソコンにセットして、ソフトやドライバーをインストールします。
キャプチャー用のソフト「LightCapture」がインストールされます。
キャプチャー用のケーブルは、映像入力としてコンポジット(黄色)とS端子(黒色)が用意されています。音声入力は、赤白色の端子になります。パソコンへの入力は、USBポートを使用します。
ビデオカメラからのAV出力をキャプチャー用のケーブルに接続して、パソコンのUSBポートに接続します。
パソコンにインストールした「LightCapture」を起動します。「設定」ボタンをクリックして「録画動作」より、録画ファイルの保存先フォルダを設定します。設定したら「OK」ボタンをクリックします。
「LightCapture」の「設定」ボタンをクリックして「映像フォーマット」より、入力先を接続した「コンポジット」「S端子」のどちらかを設定します。実際の接続と一致していないと、映像が録画されません。設定したら「OK」ボタンをクリックします。
ビデオカメラの再生させます。「LightCapture」の「録画」ボタンをクリックすると、キャプチャーが開始します。
キャプチャー(録画)の実行中は、再生した映像と音声が表示されます。
「停止」ボタンをクリックすると、キャプチャーが終了します。
ビデオカメラは連動して停止しないので、手動で「停止」させてください。
この映像はアスペクト比16:9で撮影したのですが、「LightCapture」では720×480に変わってしまいます。そして、保存される動画ファイルも、アスペクト比720×480に変わってしまいます!
「LightCapture」の問題というよりも、コンポジット経由でキャプチャーすることで変わってしまうようですね。これは規格というか仕様なので、どうにもなりませんね。
まぁコンポジット(赤白黄の黄色)からキャプチャーするということは、
かなり古いビデオカメラで撮影した動画だと思いますので、あまり問題無いかと思います。
そんな昔のビデオには、アスペクト比16:9なんてありませんでしたから。
キャプチャーしたファイルは設定した録画ファイルの保存先フォルダに保存させます。
拡張子「mpg」のファイルでした。
この保存したmpgファイルですがWindows10の「Windows Media Player」で再生すると、何故か音声しか再生されません・・・音楽ファイルとして再生されるようです。
別のプレイヤーを使えば、映像も音声も再生されます。
レコーダーに取り込んだ場合の動画ファイル化について
DVD/ブルーレイレコーダーに取り込んだ動画は、当たり前ですがレコーダーを使わなければ再生できません。パソコンやスマホで見るためには、レコーダーからパソコンに動画データを取り込む必要があります。
レコーダーにはDV取り込みができましたが、このレコーダーの動画をパソコンに取り込むにはどうしたらいいでしょうか?レコーダーからの出力には、4種類の方法があります。
方法 | メリット | デメリット |
コンポジット出力 | 画質が劣化するので、メリットなし。 | 画質が劣化するうえにキャプチャー用の機器が必要になるのでおススメしません。 |
D端子出力 | 画質の劣化がほぼ無い。 | キャプチャー用の機器が必要です。 |
HDMI端子出力 | 画質の劣化がほぼ無い。 | HDMI端子はコピーガードにより取り込めない。 |
DVDを作成する | DVDとしても鑑賞できる。 | 作成したDVDをパソコンに取り込むにはひと手間かかる。 |
「コンポジット出力」はおススメしません。せっかくレコーダーにDV取り込みした意味がありません。
「D端子出力」はキレイな画質で出力できますが、動画ファイルとしてキャプチャーする機器が必要になります。コピーではなく再生しながらキャプチャー(録画)することになります。DV取り込みにかかった時間と同じだけ時間がかかるので、これもおススメしません。
「HDMI端子出力」は今や主流となった規格ですが、HDMIには不正コピーを防ぐためのHDCPというコピーガードがあります。自分用の過去の思い出を残したいだけなのですが、HDMIの規格としてキャプチャー(録画)できません。
最後の手段が「DVD作成する」方法です。作成したDVD自体が観賞用のメディアにもなりますね。このDVDは、無料ソフトの「XMedia Recorde」を使って動画をパソコンに取り込めます。ここでは、「XMedia Recorde」を使ってDVDから動画を取り込む方法を説明します。
「XMedia Recode」は、公式サイトからダウンロードできます。
この方法は、自分で作ったDVDに使える方法です。
商用のDVDはコピーガードがあって、動画の取り込みはできません。
パソコンにインストールした「XMedia Recorde」を起動します。
「DVDを開く」をクリックします。「DVDドライブ」を指定して「開く」をクリックします。指定したDVDの分析が自動で始まります。
「形式」タブで保存するファイル形式を指定します。ここではMP4で保存する方法で説明します。
「ビデオ」タブの「一般」にて、「レート制御モード:品質」「品質:1.0」を設定します。
DVDドライブの「VIDEO_TS」フォルダに「XXXXXX.VOB」という、拡張子にVOBがついたファイルがあります。これがDVDに保存された動画ファイルです。
このファイルを右クリックしてプロパティを表示します。
「詳細」タブをクリックして「データ速度」の数値を確認します。
「XMedia Recorde」の「ビデオ」タブの「レート制御」をクリックします。
「VBVバッファサイズ」「VBV最大レート」に、VOBファイルの「データ速度」と同じ数値を設定します。
「XMedia Recorde」の「音声トラック1」タブの「一般」をクリックします。
ソースのストリームに表示された設定より、「サンプルレート」「ビットレート」に同じ数値を設定します。この例では「チャンネル」にはストリームには「2チャンネル」と表示されているので「Stereo」を設定します。「レート制御モード」には「平均ビットレート」を設定します。
取り込んだ動画に、横筋というかストライプが入ってしまうことがあります。
この場合には、インターレス解除を設定することでストライプを消せます。
インターレス解除なしと、インターレス解除を設定して取り込んだ動画を比較しました。
インターレス解除なしで取り込んだ動画のスクリーンショットです。
横のストライプが入っていますね。
インターレス解除を設定して取り込んだ動画のスクリーンショットです。
横のストライプが消えました!!
インターレス解除を設定するには、「クロック/プレビュー」タブをクリックします。
「インターレス解除」をクリックして、「使用するフィルター:Libav Deinterlace」を設定します。「インターレス解除」が表示されるので「リニア混合」を設定します。
これでDVDから動画を取り込む設定が完了しました。
「リストに追加」ボタンをクリックします。「エンコード」ボタンをクリックすると、動画の取り込みが始まります。
動画の取り込み(エンコード)はかなり時間がかかります。
パソコンにはエンコードに集中してもらうために、操作しないようにしましょう。
「CPU優先度」を変更できるので「標準以上→高」に変更してみました。
変更してみましたが、どのくらい時間が短縮されるかは不明です。ひたすら待ちましょう。
ようやくエンコードが終わって、動画ファイルが作成されました。
かかる時間はパソコンの性能によって変わってきます。
今回はかなり古いパソコン(CPU:Intel Corei7-2620M)を使って、約1時間の動画の取り込み時間は約1時間25分でした。
ちなみにエンコードが100%になっても、「メディアファイルの作成に成功しました!」がすぐに表示されませんでした。エンコードの進捗が100%を超えていますし、「残り時間」もすごい時間になっています。「経過時間」は正常にカウントアップしています。
どうやらエンコードは終わっているのですが、動画ファイルに保存する処理に時間がかかっているようでした。約10分待っていると、「メディアファイルの作成に成功しました!」が表示されました。
あせって「一時停止」や「キャンセル」ボタンをクリックすると、保存中の動画ファイルが壊れる恐れがありますのでじっくり待ちましょう。
取り込んだ動画ファイルは、DVDとほぼ同じサイズの4.2GBでした。
パソコンに直接DV取り込みをするとAVI形式で動画が保存されるのでサイズが大きくなります。これに対してDVDから動画を取り込むと、MP4形式にした場合は約1/3のサイズにできました。
レコーダーで作成したDVDをエンコードしているのでMinDVテープの記録そのままの動画ではありません。しかし、DV端子のついたパソコンを持っていない場合はこの方法しかありません。
まとめ
今回は、ソニー製のハンディカム「DCR-HC96」を使ったMiniDVテープの取り込み方法を紹介しました。
このハンディカムを買った当時(2006年)はDV取り込みを開始すると、自動でハンディカムが再生されて動画が取り込まれることに感動した記憶があります。
あれから10数年。今ではハンディカムからの動画取り込みはファイルコピーなんですから、技術の進歩とは素晴らしいですね。
これからの思い出は内蔵メモリ記録のハンディカムで録画していきますが、
これまでの思い出は古いハンディカムで録画したMiniDVテープにねむっています。
古いハンディカムが壊れる前に、そしてMiniDVテープが劣化する前に、
これまでの思い出をデジタル化しておきましょう。
そこには、昔には気がつかなかった新しい発見があるかもしれませんよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。