みなさんの家には、たくさんの8mmビデオテープが眠っていませんか?
我が家にも、僕の父親が撮りためた8mmビデオテープが残されていました。
テープがダメになる前に、パソコンに取り込んでデジタル化してあります。
ところが先日、親戚から大量の8mmテープがあると相談されました・・・
撮影した8mmビデオカメラが残っているというので、テレビにつなげて再生すれば見られるのですが、故障しているらしく再生できませんでした。
8mmビデオテープを見たところ、カビなどの症状はなさそうです。
依頼主の「過去の思い出を見てみたい」という気持ちもよくわかります。
ということで、久しぶりに8mmテープのデジタル化を行ってみました。
使った機器は、SONY製のデジタルビデオカセットレコーダー「GV-D200」です。
このビデオレコーダーは「S端子+音声」「DV(iLINK)」という2つの出力ができます。この2種類を使って、8mmビデオテープの動画をパソコンに取り込む方法を紹介します。
記事を書いた人:みっく
・エンジニアとして勤務
・社内のサーバー管理、セキュリティ管理も担当
・DIYと料理が大好き、週末は料理担当
8mmビデオテープの種類と取り込み方法について
8mmビデオテープには、下記のように3つの規格があります。
8mmビデオ(Video8) | Hi8(ハイエイト) | Digital8(デジタル8) |
ビデオカメラ用として普及した家庭用ビデオの規格です。 VHSテープよりも小さいので、ビデオカメラも小さくなったので普及しました。サイズ:横幅95mm×縦82mm×高さ10mm |
8mmビデオの上位互換で、より高画質になりました。 これが一番使われているタイプです。サイズ:8mmと同じです。 |
DV規格のデジタル動画を記録できます。 さらなる高画質へと進化したのですが、あまり使われることなく8mmビデオの時代が終わりました。 サイズ:8mmと同じです。 |
一般的な規格はHi8(ハイエイト)です。我が家の8mmビデオテープもHi8でした。
この規格は上位互換です(Digital8 > Hi8 > 8mmビデオ)。
つまり、Digital8(デジタル8)規格で記録されたテープは、Digital8(デジタル8)に対応したカメラ/デッキでしか再生できません。
8mmビデオテープを取り込む方法について、「DV端子を使う方法」と「S端子+音声を使う方法」があります。S端子がない場合は、コンポジット端子(黄色)+音声を使います。
それぞれメリットとデメリットがあります。
DV端子を使う方法 | |
メリット | デメリット |
DV取り込みは、開始するとテープの終了まで自動で再生して取り込むので簡単です。
Digital8で録画した場合は、変換無しの無劣化で取り込めます。 Digital8以外で録画した場合は、 |
最近のパソコンにはDV端子がついていないので、DV取り込みが出来ません・・・
8mmビデオテープが劣化していた場合、テープの途中で終了を誤検知してテープの最後まで取り込めない場合があります。 |
S端子+音声を使う方法 | |
メリット | デメリット |
昔のビデオのダビングと同じく自分で再生と録画を行うので、確実にテープの最後まで録画できます。 (DV取り込みのように、テープの途中で取り込みが終わってしまうことがない) |
パソコンでキャプチャー(録画)する機器が必要です。
アナログ⇒デジタルに変換されるので、無劣化で取り込めません。 |
DV端子を使って取り込めば、自動でテープの終了まで取り込めるので簡単です。
しかし古い8mmビデオテープを使うのでノイズなどでテープの映像信号が途切れている部分があると、テープの終了と認識してしまってDV取り込みが終わってしまいます。
テープの最後まで録画できないということになります(これが地味にめんどくさい)。
なので、僕のおすすめとしては、次の方法です。
①まず早送りしてテープの最後まで進める。そして巻き戻します。
②DV取り込みをしてみる。
③最後まで取り込めないテープは、S端子を使ってアナログから録画する。
まぁ実際には約20年前の古い8mmビデオなので、今のビデオのキレイさとは比べ物にならない画質です。「大切な思い出のビデオを見る状態にする」のが一番重要だと思いますね。
さて「DV端子」「S端子+音声」どちらの方法をつかうにせよ、8mmビデオテープを再生するカメラ/デッキが必要です。
今回はSONY製のデジタルビデオカセットレコーダー:GV-D200を使ってみました。
たくさんの8mmビデオテープをデジタル化するので、ヘッドの汚れ対策としてクリーニングカセットも用意しました。
DV出力からパソコンに取り込む手順
まずは、DV入力端子のついている「パソコン」があることが前提です。
最近のパソコンには、まずDV入力端子はついていませんね・・・
我が家では、富士通製のノートパソコン「FMV-BIBLO NF/B70W」に、DV入力端子がついていました。(OSはあまり評判の良くなかった、Windows vistaです)
DV端子を使って取り込むには、DV端子用のケーブル「i-LINKケーブル」を使います。
いろいろなメーカーから販売しているようですが、DV規格はソニーの規格です。
なので、僕は安心のソニー純正をケーブルを使っています。
パソコンのDV入力端子とGV-D200のDV出力端子を、i-LINKケーブルで接続します。
i-LINKケーブルで接続してから、GV-D200の電源をONします。
8mmビデオテープをGV-D200にセットしたら、早送りでテープを最後まで送ってから巻き戻しをします。約20年ぶりに動かすテープなので、準備運動のつもりで早送りと巻き戻しをしておきます。
パソコンに「デジタルビデオデバイス」の子画面が表示されるので、「ビデオの読込み」をクリックします。
「ビデオの読込み」画面で、保存するファイル名、保存先フォルダ、形式を入力します。
形式は、8mmビデオテープの内容を無劣化で取り込みたいので、「Audio Video Interleaved」を指定します。
AVI形式で動画が保存されますが、この形式はファイルサイズがとても大きくなります。
画面にも書いてありますが、1時間当たりのファイルサイズは約13GBです!!
取り込み先のパソコンのハードディスクの空き容量に注意しましょう。
「ビデオ全体をコンピュータに読み込む」をチェックして、「次へ」をクリックします。
8mmビデオテープの録画された内容がパソコンに取り込まれます。
ファイルコピーではなく、物理的にテープを再生しながら取り込まれます。
60分テープの場合は60分かかりますし、120分テープの場合は120分かかります。
無事に8mmビデオテープのDV取り込みが終了しました。
無事に終わったのですが、AVIファイルなのでファイルサイズが大きいです!
60分の8mmビデオテープ1本で約13GBなので、パソコンのHDDを圧迫します。
しかも1本1本テープを再生して取り込むので、膨大な時間がかかります・・・
では、DV取り込みで作成された動画ファイルのスクショを見てみましょう。
武田信玄と上杉謙信の戦いで有名な、川中島古戦場八幡社を撮影したものです。
20数年前という時間の流れを感じさせる画質ですね。
当時のブラウン管テレビで見たときは、かなりキレイだった記憶があるのですが・・・
大切な昔の思い出が回収できてよかったです。
S端子+音声出力からパソコンにキャプチャーする手順
DV入力端子のついていないパソコンや、DV取り込みをしても8mmビデオテープの最後まで取り込めない場合は、S端子ケーブルを使います。
S端子のない場合はコンポジット(赤白黄の黄色)ケーブルを使います。
DV端子からの取り込みと違って、ビデオカメラからの映像・音声信号をパソコン側でキャプチャー(録画)するのでキャプチャー用の機材が必要になります。
今回は、I-Oデータ製のUSB接続ビデオキャプチャー「GV-USB2」を使いました。
かなり昔に買ったのですが、今でも販売していました。
ケースの中には説明書、インストールCDとGV-USB2本体が入っていました。
キャプチャーするパソコンは先ほどDV取り込みで使った、富士通製のノートパソコン「FMV-BIBLO NF/B70W」です。(OSはあまり評判の良くい、Windows vistaです)
まずはCDをパソコンにセットして、ソフトやドライバーをインストールします。
キャプチャー用のソフト「LightCapture」がインストールされます。
キャプチャー用のケーブルは、映像入力としてコンポジット(黄色)とS端子(黒色)が
用意されています。
音声入力は、赤白色の端子になります。パソコンへの入力は、USBポートを使用します。
SONY製のデジタルビデオカセットレコーダー「GV-D200」を、「GV-USB2」に接続してパソコンのUSBポートに接続します。
パソコンにインストールした「LightCapture」を起動します。
「設定」ボタンをクリックして「録画動作」より、録画ファイルの保存先フォルダを設定します。設定したら「OK」ボタンをクリックします。
「LightCapture」の「設定」ボタンをクリックして「映像フォーマット」より、入力先を接続した「コンポジット」「S端子」のどちらかを設定します。
実際の接続と一致していないと、映像が録画されません。
今回はS端子を接続したので、「S端子」を設定しました。
設定したら「OK」ボタンをクリックします。
ビデオを再生させます。「LightCapture」の「録画」ボタンをクリックすると、キャプチャーが開始します。
キャプチャー(録画)の実行中は、再生した映像と音声が表示されます。
「停止」ボタンをクリックすると、キャプチャーが終了します。
ビデオは連動して停止しないので、手動で「停止」させてください。
キャプチャーしたファイルは設定した録画ファイルの保存先フォルダに保存させます。
拡張子「mpg」のファイルでした。
ではS端子からキャプチャーして作成された動画ファイルのスクショを見てみましょう。
DV取り込みのスクショと、あまり変わっていないようですね。
パソコンにDV端子がついていない場合は、I-Oデータ製のUSB接続ビデオキャプチャー「GV-USB2」を使ってパソコンに取り込めばOKですね。
画質を比べてみました
「DV取り込み」と「S端子+音声出力でキャプチャー」という2種類の方法で、
8mmビデオテープをパソコンに取り込んでみました。
では、それぞれの画質を比べてみたいと思います。
先ほどの、川中島古戦場八幡社のスクショを比較してみました。
武田信玄と上杉謙信の像を比較してみると・・・どちらもあまり変わりませんね。
風景としての画質は、どちらも同じようでした。
では文字を撮影した場合に、ちがいはあるでしょうか?
川中島古戦場八幡社の「説明書き」を撮影した動画のスクショを比較してみました。
おおっ、こちらはDV取り込みの方が「文字が鮮明」に映っています!!
ふつうに風景を撮影した8mmテープの場合は差がありませんでしたが、看板や説明書きなどの文字を撮影した8mmテープの場合は、DV取り込みの方がキレイに取り込めますね。
まぁ2つをじっくり比較してみてわかったことなので、S端子からの録画でも十分デジタル化に使えますよ。
①Digital8で録画したテープだったら「DV取り込み」をしましょう。
②DV端子がついているパソコンがあれば「DV取り込み」をしましょう。
③DV端子がついているパソコンがない、または「DV取り込み」で最後まで
□取り込めないテープは、「S端子+音声出力でキャプチャー」をしましょう。
しかしどちらにしても「膨大な時間」と「パソコンのHDDを圧迫するファイルサイズ」という壁が立ちはだかります・・・
大切なテープのデジタル化ですが、趣味でなければ気が遠くなってしまいます。
そもそもやっている時間がない、という人には「デジタル化サービス」を利用する手もありますよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。